日本料理の演出 欠かせない陶器
日本料理には陶器をはじめ、様々な素材の食器が用いられます。これは日本料理において盛り付けは器も含むと考えられているからで、料理の美しさを演出するために最適な器を選べるようバラエティ豊かな食器が生まれました。また、日本料理の器は西洋の器とは異なる視点で作られているのが特徴です。
汁物を入れた椀など、日本料理では手で器を持って食べるのが一般的です。しかしこのような作法は世界的に珍しく、日本では器は料理の入れ物だけでなく、手に持ち口を付けることが考えられています。
和食器の材質として代表的なのが陶器ですが、洋食器では磁器を用いることが多く見られます。両方とも同じ焼き物ですが、陶器が粘土を原材料に作られるのに比べ、磁器は粘土以外に陶石が混ぜられたものを原材料とします。磁器は独特の透明感があり、熱しやすく冷めやすい、ツルツルとしたガラスのような触感で重さがあります。一方陶器は土で作られているので透明感はありませんが、手に持った時に独特の温かみを感じるのが特徴です。
熱しにくく冷めにくいため手に取りやすく、軽いため持ちやすいのも陶器の利点です。さらに口触りが良くなるように作られているので、和食に最適な器と言えます。